専門医の医師の求人/募集/転職スペシャルインタビュー >本田 由美子 氏 / 本田内科クリニック(銀座6丁目) 院長

スペシャルインタビュー
本田由美子

内科のプロフェッショナル
~ 青山病院副院長から銀座のクリニック院長へ ~

本田 由美子 氏
本田内科クリニック(銀座6丁目) 院長

本田先生の医師としての経歴をお聞かせください。

私は内科医で専門は循環器です。学生時代、目がとても悪かったので、外科系は出来ないと思いました。
残った選択肢の中で、基礎医学に進む道とで迷った末、内科の臨床医の道を選びました。
東京医科歯科大学医学部を卒業後、1年のインターン研修、大学院での博士号取得を経て、同大学第三内科に7年程勤務しました。その後、医局とつながりがあり、前任のドクターが辞められて募集を出していた、東京都職員共済組合 青山病院へ医長として就任しました。翌1978年からの1年間は、知り合いのつてを頼りに、スイスのインゼルスピタール(ベルン大学病院)へ留学しました。研究としては、言葉の壁もあり、期間も短すぎましたが、考え方や感覚の違いを肌で感じられる外国での経験は貴重なものでした。青山病院では、内科部長、副院長を務め、2003年、定年より1年早く退職しました。
臨床勤務医としては、循環器疾患の他、呼吸器、内分泌代謝、消化器系など広い範囲の疾患を経験しました。
その後は、縁あって、銀座駅から徒歩3分のところにクリニックを開業し、現在も、日曜、祝祭日、水曜・土曜の午後以外は診療に従事しています。

東京都職員共済組合 青山病院とはどういう病院ですか?

国家公務員とその家族の保健福祉施設として、国家公務員共済組合連合会により設立されたものに『虎の門病院』がありますが、東京都職員とその家族の保健福祉施設として、東京都職員共済組合により設立された病院が『青山病院』です。私が就任した当初は東京都職員とその家族だけに開かれた病院でしたが、就任数年後から一般にも開かれていきました。
ただ、医師が改善を頼んでも、現状に満足している事務側が全く動いてくれないという環境でしたので、医師にとって魅力的な病院とはいえず、良い医師に来てもらいにくいところでした。
建築後38年という病院施設の老朽化で多大な改築費が必要となること、医療制度改革への対応の立ち遅れ、赤字経営体質、共済組合員の利用率の低下などから、共済組合が直営病院を経営する必要性は低いとされ、2007年12月、廃院となりました。
私は既に退職していて、その場に居合わせてはいませんが、整形外科で有名な先生などもいらしたので、もっと多くの人が来たがるような、医師が個人的にも行きたいと思うような病院になんとかしてするべきだったのだろうと反省しています。
とはいえ、カリスマ院長が皆を引っ張って改革でもしない限り、現実はなかなか厳しいとも思います。

本田先生が医学部にいらした1961年、日本で国民皆保険制度が実現しました。
保険医療について今まで感じてこられたことをお聞かせください。

当初は保険のことはあまり考えませんでした。ただ、資本主義だという世の中において、保険だけ
社会主義のやり方なのは、私には違和感のあるところです。
共済病院というのは、私が就任してすぐの頃、東京都職員本人だけでなく、家族も含め全て無料で
した。共済組合が保険の差額を払う仕組みだったのです。そうすると何が起こるかというと、患者
さんは自分の病気に対して患者としての責任を持たなくなります。
本来、病気を治す為には患者さん自らの節制が必要なことも多いのですが、医師から言われた指示
に従わなかったり、もらった薬を簡単に捨ててしまうのです。
アメリカ国民が皆保険というのを反対する気持ちがわかります。甘えが出てくるのです。
健康保険は、本人の医療費は自己負担無料だったところから、1984年、自己負担1割、1997年には
2割、2003年には70歳未満の患者は原則全て3割に引き上げられました。2割負担になった時、大きな病院も含めて、どこでも患者数がものすごく減りましたが、3割になって、またガクンと減りました。結局、医師自身が皆保険に甘えてしまったつけが回って来ているのではないかと、ある時、愕然としました。保険というのが本当はどうあるべきかというのは、いまだに私はよくわかりません。

生活習慣病について教えてください。

生活習慣病というのは、予防医学とも言えます。後に、いつ、どのような形で病気になるかはわかりません。
その為に、食事制限をし、運動を指示され、禁煙、禁酒を言い渡されても、おそらく「好きにさせてよ!」と言いたくなるでしょう。私達も「こうした方がいいですよ」とは言っても、「こうしたら、絶対大丈夫。しなければ、絶対ダメ」とは言えません。
その為、データを説明し、薬を飲むかどうかも含めて、患者さん自身に選択してもらうのですが、病気になる前に理解してもらうのはなかなか難しいです。私自身も若い時は、病気というのは確率の問題で、自分はかからないという気持ちでいましたが、病気のリスクを一番高めるのは加齢です。
歳を取り、一緒に歳を取って来た周りの人が病気を起こしてくると、あの時やっておくべきだったなと思うのです。

仕事をする上でのモット―は?

私は「この仕事は私の仕事!楽しいんだ、面白いんだ」と自分に言い聞かせています。
常に好奇心を持てるように自分を持って行く、面白さを見つける努力をします。
日々、目の前の患者さんから、「のどが痛い」「お腹が痛い」の症状から、勉強させてもらっている意識でいます。

専門医制度についてどう思いますか?

一つの基準として、そういうのがあってもいいと思います。
医師というのも資格の一つですよね。私は、割と資格を取るのが昔から好きです。何か基準がある方が面白いのではないかと思います。そして、取ったからには、それに見合った仕事をしていかなければいけません。専門家になるには、教科書や本の知識も基礎としては必要ですが、むしろ、いかに沢山の症例を実際に診るかが大切です。
私の生化学の先生は「何か一つを深くやって、更に、多くの広い知識を持ちなさい」と、要するにT字型の勉強をしなさいということをよく言っておられました。非常に狭い専門だけを診る人が結構いますが、あまり良いと思いません。T字型の知識を持つ為のベースとなるのは基礎的知識です。臨床医となってからも、学会雑誌を読むなりして知識を吸収するとよいと思います。

若い先生方へメッセージを頂けますか?

本田由美子

昔、医者は、患者さんが死にそうな時は泊まり込みで対応するのが普通でした。「人工透析」がなかった時代には、腹腔内に透析液を入れ、体内で血液のろ過を行う「腹膜還流」を、夜中じゅう、お湯を温めながらやりました。最近の人は、ばっさりと、ハイ、さよならと帰ってしまいますね。
青山病院時代、「患者さんが死にそうだから出て来て下さい」という連絡を受けて、私が出て行ったら、主治医である研修医が来ていないので、電話をすると、「先生、私行かなきゃいけないですか」という調子で、驚かされました。
それでも、若い人達に、「医者は休みなんてないんだよぐらいに考えていた方がいい」と言いたいです。というのは、やはり、そうでも思っていないと面白くないからです。義務感でこれだけやって後おしまい、とやっていたのでは医者になった意味がないと思うのです。
私は若い頃、個人を見ずに病気だけを見ないと、病気というのはわからないかもしれないと思っていましたが、歳を取り、やはり全体を見るというのがいかに大事か、全体からどう見て行くかというのが大事だと思うようになりました。
また、自分自身が患者になった時、医者は患者の痛みや症状を全然わかっていないと痛感しました。医者と患者の眼というのは、全く違います。学生の時、授業で「患者さんの言った言葉そのままを書いて、痛いというのを感じなさい」と言われましたが、実際に経験しなければ決してわかりません。病気の経験を積むわけにもいきませんから、少なくとも、医師は、患者目線では何もわかっていないのだということを、まずは認識しておかないといけないと思います。

(取材・文:うえだまゆ)
(2011年11月)


本田 由美子 氏(本田内科クリニック(銀座6丁目) 院長)

プロフィール

  • 1965年 東京医科歯科大学 医学部卒業
  • 1965年~1966年 同大学付属病院にてインターン研修
  • 1966年~1970年 同大学 大学院 内科学講座在籍
  • 博士論文「エストロゲン 女性ホルモンの抗動脈硬化作用」
  • 1970年 同大学 第三内科 助手(文部教官)
  • 1977年 東京都職員共済組合 青山病院に医長として就任
  • 1978年~1979年 スイス インゼルスピタール(ベルン大学病院)に留学
  • 1991年 青山病院 内科部長
  • 1997年 青山病院 副院長
  • 2003年3月 退官
  • 2003年5月 本田内科クリニック開設

医学博士
ECFMG (Educational Commission for Foreign Medical Graduates)
日本内科学会認定医
日本循環器学会認定医

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