専門医の医師の求人/募集/転職スペシャルインタビュー >吉田 正史 氏 東埼玉総合病院 消化器内科科長・内視鏡室室長

スペシャルインタビュー
吉田正史

“志”を持った仲間を求む!実直な医師が挑む、消化器病センターの再構築

吉田 正史 氏

東埼玉総合病院 消化器内科科長・内視鏡室室長

地域密着型で中小病院の新しいモデルになるべく活動を進める、社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 東埼玉総合病院にて、消化器病センターの再構築に向けて奮闘する、消化器内科科長・内視鏡室室長の吉田正史先生にお話を伺う。
医師不足、そして医療資源が少ない地域で診療に携わる、吉田先生の思いに迫った。

地域医療に専念した曽祖父の存在

北海道の旭川医科大学を卒業後、医局派遣で経験を積み、約6年前に東埼玉総合病院へ着任した吉田先生。母方の曽祖父が医師で、祖父母らから「地域医療に専念して周囲から信頼されていた人であった」と伝え聞き、「自分もそんな生き方をしたい」と医師を志すようになったという。
インタビュー中に何度も“腰を据えて働くことの大切さ”を口にする吉田先生が腰を据えた地は、偶然にも地域密着を掲げる東埼玉総合病院だった。地域医療に専念したという曽祖父の存在が思い出される。

実直に、ひたすら内視鏡と向き合う日々


吉田先生が消化器内科を選択した理由は、患者への負担が少ない内視鏡を使った診療に興味を持ったことだ。埼玉県では対人口当たりの医師が不足しており、消化器内科も例外ではない。吉田先生は地域にとってなくてはならない貴重な存在だ。
現在、従来のEMR(内視鏡的粘膜切除術)に加え、ESD(内視鏡的粘膜下層切除術)やERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)関連の内視鏡処置など、週2日午前中のみ担当する外来以外は、内視鏡での診断・治療に専念している。同院での消化器内科では、吉田先生を含めた2名の常勤医師と、外来の多くやスクリーニングを担う8名の非常勤医師がおり、10名体制で患者と向き合う。しかし、まだまだ十分とは言えない現状だという。

着任した当時は一緒に診療にあたる仲間がいなかったため、1人で4〜5人に相当する症例数をこなす、多忙を極めた生活を送った吉田先生。
大変な中でもここまでやって来た理由を伺うと、「責任です。中途半端にはやりたくなかった。機械的に働くのであれば、条件のより良いところへ移ることも可能だけれど、そういうスタンスでは完成された仕事ができないし、無責任なことはしたくないですから」と、実直な人柄が垣間見られる。
「腰を据えてじっくり取り組みたかった」という思いを実現するべく着任した病院は、人員的に整えられた環境ではなかったが、その分大きなやりがいを見出していた。

多職種協業で、外科や大学病院との連携も良好

吉田先生が考える同院の良さは、“多職種協業”であること。必ずしも医師がトップダウンで指示するわけではなく、看護師をはじめ周囲の職との信頼関係のもとに仕事が成り立っている。
消化器外科とも良好な連携が取れており、「例えば、総胆管結石と胆石の両方を持つ患者には、総胆管結石の切除は内科で、その後外科にて胆石のオペをしてもらうといった具合です」と、日頃から風通しよく相談ができる環境にあるという。
また、医療資源の問題ですべてを自身のもとで完結することが難しいため、大学病院から医局派遣で来ている非常勤医師との連携も大切にし、大学病院ともよい距離感で診療にあたっている。

臨床に注力しながら、多角的に医療を見つめる


吉田先生はルーティン業務の合間を縫い、開業医向けのレクチャーのほか、市民への啓蒙活動にも取り組んでいる。
最近では医療を取り扱うテレビ番組が多くなったとはいえ、そこはやはり特殊な分野だ。患者となり得る市民が、はじめから適切な知識を有していることは少ない。例えば、胃がんが発見されたとなると、開腹手術を思い浮かべる患者が少なくないのが現状だ。
大きさによっては、体への負担が少ない内視鏡での切除が可能であることなど、治療の選択肢を正しく認知してもらうため、そして早期発見を促すため、市民への啓蒙活動は重要である。しかし、「積極的には行えないのが実情です。口コミでの来院だけでも手一杯の状態ですから」と語る。それでも人員不足が解消されれば、もう少し啓蒙活動に力を入れたい思いがあるようだ。
人員が不足しているとはいえ、吉田先生は後進の育成も行わなければならない立場だ。内視鏡検査技師などスタッフ教育にも力を入れている。病院側によれば、先生を慕って資格を取るスタッフも少なくないという。
日々臨床の現場にいながら、後進の育成や市民への啓蒙活動まで取り組み、まだまだ多忙を極める吉田先生。しかし「自己犠牲はよくないので、ONとOFFの切り替えは大切にしたい」と言い、現状の問題を多角的に見つめながら、目標とする医療へと邁進している。

急性期をカバーできる地域医療の体制を整えたい

目下の目標は、「急性期をカバーできる地域医療の体制を整えること」。
「内科で言えば、消化器と循環器が揃えば、急性期の治療はかなりの部分をカバーできます。一刻を争うものであれば、例えば心筋梗塞は循環器の先生が必要です。2部門を充実させないと地域医療は支えられない。この地域である程度完結さられる体制を作りたいですね」と、やはり地域医療に目を向けていた。
「そのためには、まずは人員が必要です」と、目標を共にできる医師が現れるのを待っている。

求める仲間は“志”のある人


吉田 正史先生と弊社・代表 徳武

目の前に患者がいる以上、即戦力となる医師が必要な状況だ。それに加え、「こういう医療を行いたい」「技術を磨きたい」など、吉田先生は“志”を持った仲間を求めている。
技術や経験をブラッシュアップさせたい第一線で活躍している医師、そして、症例を重ねるなど強いやりがいを求めている医師は、吉田先生のもとを訪れてみてはいかがだろうか。地域医療に取り組む姿勢を肌で学び、消化器病センター再構築へ向けての動きは、学びとやりがいに溢れた環境であることだろう。

(取材・文/安海 まりこ)

吉田 正史(東埼玉総合病院 消化器内科科長・内視鏡室室長)

プロフィール

1995年 旭川医科大学 卒業
日本消化器病学会 専門医・指導医
日本消化器内視鏡学会 専門医・指導医
日本内科学会 認定内科医
臨床研修指導医講習会終了

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