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院内感染症の治療薬開発に役立つ蛍光プローブを開発 立命大などが共同で開発

[2020.1.9]

 7日、立命館大学は院内感染症の治療薬の開発に役立つ蛍光プローブを開発することに成功したと発表した。この研究は、同大生命科学部の松村浩由教授が、米ラトガース大学のDaniel S. Pilch教授らと共同で行ったもの。研究成果は、「Scientific Reports」にオンライン掲載されている。

 

 研究グループは、2017年に、新しい院内感染菌MRSAに効く抗菌薬として、MRSA内で働くFtsZというタンパク質に結合する薬を開発した。FtsZはMRSAが増殖するときに働くタンパク質。薬がFtsZに結合するとFtsZの働きが鈍り、MRSAは増殖できなくなるため死滅する。実際にこの薬はMRSA感染症の治療に効果があり、第1相試験まで開発が進んでいる。

研究グループは、これらの薬の効果を確認するため、どのようにFtsZに結合するのかを原子レベルで観察。実験で使用した薬には、メチル基があるものを使用した。結果、FtsZに結合する際、薬のメチル基は分子の内側から外に向かっていた。研究グループは、この薬の構造をみて、メチル基の先に蛍光分子を結合することができれば、これまで存在しなかったFtsZに強く結合する蛍光プローブができるのではないかと考えた。FtsZに強く結合する蛍光プローブが開発できれば、現在開発中の薬をさらに改良することができる。

 

そこで、このメチル基の先に蛍光分子を結合させて実験を実施。その結果、メチル基の先に蛍光分子を結合させたプローブは、従来の蛍光プローブに比べ、FtsZに約10~100倍強く結合することが判明した。さらに、もともとはMRSAのFtsZにのみ結合すると思われたこの蛍光プローブが、肺炎桿菌や緑膿菌といった他の院内感染菌のFtsZにも強く結合することが明らかになった。

この蛍光プローブを使うことで、さまざまな種類の化合物群の中からMRSA以外の院内感染菌のFtsZに結合する新しい薬を素早く同定()することも可能となった。

研究グループは、「今回の研究により院内感染症の治療薬開発に役立つ技術が開発できたことから、今後、院内感染に対する効果的な薬が開発されることが期待される」と話す。

 


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