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救急搬送で複数医療機関の同時照会が可能 栃木・小山で独自アプリ
[2025.3.22]
栃木県の小山市消防本部は円滑な救急搬送を目指し、電話による受け入れ照会でなく、デジタルツール「スクエル」を活用して複数の医療機関への同時照会を可能とする仕組みを4月からスタートする。
「LINE」のビジネス版「LINE WORKS(ラインワークス)」を活用した救急搬送支援アプリ「スクエル」を独自に開発、県内で初めて導入した。ラインワークスを救急業務用に手を加えたアプリは全国初という。
救急隊と傷病者に対応する市内外の医療機関がスマホにアプリ「スクエル」をインストールする。隊員が、傷病者の受け入れに必要な情報を統一したフォームに入力。医療機関を選択して送信すると、その情報をもとに医療機関が受け入れの可否を回答する。
お薬手帳や創傷部位の写真、救急車内で測った心電図など画像データも共有ができ、状況に応じて音声通話やビデオ通話も行うという。
傷病者の情報として氏名や住所、生年月日は含まない。クラウド上に個人情報が残らないようにしたといい、必要に応じて電話などで伝えるという。
1月から八つの救急隊と市内外の1~3次の救急搬送に対応する9医療機関で試行を開始した。救急隊にとっては複数の医療機関に一気に照会がかけられる。医療機関にとっても電話を受けながらメモ書きする手間が省け、情報伝達がスムーズになったという。ただ、医療機関が通知音に気づかないケースもあった。スマホに情報が届いたときには配布したスマートウオッチにも通知が届くようにしたという。
同本部によると、医療機関が救急搬送を断るケースとしては「手術・処置中」や「満床」の割合も半数近くあるという。回答で「満床」などとあった場合は、各救急隊が事前に情報共有できるため、照会がスムーズになる。
同本部管内の救急出動件数は増加傾向にあり2024年は1万3件で19年の8744件に比べ14・4%増えている。現場到着から病院搬送するまでの滞在時間も延びており24年は20・2分。19年は15分で、急激に延びている。照会回数4カ所以上、現場滞在30分以上という搬送困難のケースも24年は8・8%と20年の3倍近くに増えた。搬送時間の短縮化による傷病者と救急負担の軽減は喫緊の課題となっていた。
同本部は小山市と野木町を管轄しており、試行している9医療機関には同市以外の栃木市、下野市のほか茨城県古河市、結城市も含まれる。4月からは13医療機関で運用予定で、それにより9割以上の搬送患者を網羅できるという。

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