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私立大医学部に広がる「地域枠」
[2023.10.5]
私立大医学部の受験で、地域医療に一定期間従事することを要件にした「地域枠」が広がってきた。奨学金を受けられ、6年間の総額が4000万円を超えるケースもある。受験生にとっては志望の選択肢が広がる一方で、卒業後の勤務場所が制限されるというデメリットもある。
地域枠は、医師偏在の解消を目的に国が2008年に導入した。都道府県の要望を受けて、大学が定員に枠を設け、都道府県が奨学金を貸与する。卒業後、へき地医療や、医師不足の深刻な小児・周産期医療などに9年程度従事すれば、奨学金の返還が免除される。地域枠を離脱することは原則としてできない。
文部科学省によると23年度、66の国公私立大が961人分の地域枠を設け、医学部定員の約1割を占める。私立では31大学のうち23大学が316人分を開設している。
複数の自治体によると、地元の国公立大から先に地域枠の確保を進めてきたが、依然として医師不足が深刻な状況で、私立大を含めた枠の拡充を図っている。大学側にとっても定員増による経営上のメリットがあり、地域医療にも貢献できる。
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