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日本胸部外科学会からのお知らせ「日本胸部外科学会 政策検討委員会 声明」に関して
[2025.11.18]

日本胸部外科学会が「日本胸部外科学会 政策検討委員会 声明」に関して発表した。
「胸部外科診療の質向上と、胸部外科医の働き方改革との両立に向けた施設拠点 化の推進とその支援を求めます」
現在、日本においては欧米に比し、人口あたりの胸部外科実施施設数が多く、各施 設の専門医が少ない状況で、例えば緊急手術が重った場合、待機手術をインターバ ルなしで施行したり、術後管理も外科医が行ったりと、ライフワークバランスが悪化 し、外科医の疲弊のみならず、医療の質の低下にもつながり、危機的状況と言わざる をえません。 現在、医師の働き方改革の本格的施行に伴い、外科診療体制の見直しが急務となっ ております。特に、心臓外科・小児心臓外科・呼吸器外科・食道外科においては、施 設における症例数と専門医数が多いほど、手術成績および長期成績が向上すること が、多くの研究で示されており、世界的にも広く認識されています。 そのため医療の質と安全性を確保するためには、限られた人材を効率的に配置し、 拠点化を図ることが不可欠です。このことは医師の過重労働の軽減と勤務環境の改 善、さらには持続可能な専門医療体制の構築にも資するものです。また、多くの症例 を経験できる拠点施設の存在は、良質な次世代育成に欠かせないものであります。 国の医療政策においても、地域医療構想や医療機関の再編・統合の議論の中で、拠 点化の必要性が共有されつつあります。しかし、多くの症例を扱う施設に対する支援 策は極めて乏しく、診療現場に深刻な過重負担がかかっているのが現状です。
【拠点化の課題】
現在、拠点化を進める施設では、以下のような課題が挙げられます。
• 症例数の増加に見合う外科医師・医療スタッフ確保が困難
• 手術室・ICU・病床の物理的限界
• 診療報酬や公的支援が不十分
一方で、症例が減少する小規模施設では、地域医療を維持するための支援策も明確 でなく、地域医療の空白や人材流出の懸念も生じています。
【日本胸部外科学会からの提言】
国民が安全で質の高い外科医療を享受できる体制の維持と、外科医が責任を持って 働き続けることができる環境の整備には、政策の転換と具体的支援が不可欠です。 拠点化は、外科医療崩壊の回避手段であると同時に、医療の未来を守るために必 要な方策であります。 拠点化推進のために、以下の提言を強く要望します。 1.拠点施設への包括的(人的、設備的)支援の実施
• 人件費・教育費・夜間休日対応などを反映した診療報酬制度の創設
• 手術室、ICU、病床など設備的インフラ整備に対する公的補助
• 特定行為終了看護師、臨床工学技士等とのタスクシフトの支援と評価
• 外科医・麻酔科医・集中治療医の重点配置制度の構築
• 外科医へのインセンティブの付与
2. 地域医療維持
• 地域医療連携促進の支援と医療アクセス確保(交通費補助、転院支援制度、 医療DX推進(デジタルトランスフォーメーションによる情報共有、労働支援))
• 症例数減少施設に対する役割の再定義(術後フォロー、慢性疾患管理)と支援
本学会は、引き続き厚生労働省、関係団体、学術組織と連携し、政策形成に建設的 に貢献する所存です。
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