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緑内障、高眼圧症に新たな作用機序の眼圧下降点眼薬

[2025.9.29]

 2025年8月25日、緑内障・高眼圧症治療薬セペタプロスト(商品名セタネオ点眼液0.002%)の製造販売が承認された。適応は「緑内障、高眼圧症」で用法用量は「1回1滴、1日1回点眼する」となっている。

 緑内障は、国内の診療ガイドラインにおいて「視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害の改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患」と定義されている。眼圧上昇などにより視神経が損傷を受けることで視野欠損が進行し、放置すると失明に至る危険性がある。日本では40歳以上の約5%が緑内障を発症しており、中途失明原因の第1位となっている。

 緑内障の中には、眼圧が上昇しないサブタイプ(正常眼圧緑内障)があるため、未治療の患者も多い。緑内障の有病率は年齢とともに高くなり、進行性かつ非可逆性であるため、早期発見・早期治療が重要となる。緑内障・高眼圧症で唯一確立された治療法は眼圧下降であり、眼圧下降薬による治療が主体となっている。国内診療ガイドラインでは、眼圧下降点眼薬の単剤療法から開始し、有効性が確認されない場合には他剤に変更し、有効性が十分でない場合には多剤併用(配合点眼薬を含む)を行うことが示されている。

 現在、わが国では、プロスタノイド受容体作動薬であるFP(プロスタグランジンF2α)受容体作動薬(ラタノプロスト[キサラタン他])が、最も優れた眼圧下降効果を示し、点眼回数と副作用の面で良好な忍容性を持つことから、第一選択として最も使用されている。続いて、β遮断薬やEP2受容体(プロスタグランジンE2受容体EP2サブタイプ)作動薬(オミデネパグ イソプロピル[エイベリス])も第一選択薬となり得るが、全身的作用などから禁忌、副作用に留意して使用されているのが現状だ。単剤だけの治療で目標眼圧を達成できない場合には他の薬剤や作用機序の異なる薬剤同士を併用することも推奨されているが、多剤併用療法では、点眼回数の増加に伴う副作用の増加、アドヒアランスやQOLの低下につながる可能性が懸念されている。こうしたことから、新たな作用機序により、強力な眼圧下降作用を有する薬剤の登場が望まれていた。

 セペタプロストは、既存のFP受容体に加えて、EP3受容体(プロスタグランジンE2受容体EP3サブタイプ)に作用する二環式プロスタグランジン誘導体だ。代謝活性されるプロドラッグで、主に角膜中で速やかに加水分解され、FP受容体およびEP3受容体に対して結合、刺激する。その結果、ぶどう膜強膜流出路および線維柱帯流出路を介した房水流出促進作用を発揮し、眼圧下降作用を示す。

 原発開放隅角緑内障または高眼圧症患者を対象とした国内第III相無作為化評価者遮蔽並行群間比較試験(対照:ラタノプロスト)において、ラタノプロストに対する非劣性が検証された。海外では、2025年8月現在、承認されている国または地域はない。

 重大な副作用として、虹彩色素沈着(0.3%)の可能性があるので十分注意する必要がある。また、その他の副作用として主なものに結膜充血(29.6%)、睫毛の異常(睫毛が長く、太く、多くなるなど)(18.2%)、眼瞼部多毛(5%以上)などがある。

 薬剤使用に際して、下記の事項についても留意しておかなければならない。

●既存のFP受容体作動薬と同様に、投与による「虹彩や眼瞼への色素沈着」や「眼周囲の多毛化」が表れることがある。このことについての注意、患者への指導などは添付文書の「重要な基本的注意」を参照すること(添付文書の「副作用」「適用上の注意」も参照)

●医薬品リスク管理計画書(RMP)では、重要な潜在的リスクとして「黄斑浮腫」が挙げられている

 


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