ドクターヘリは救急医療に使う機器や薬を備え、同乗した医師や看護師が初期治療にあたるなどして患者の救命率の向上や後遺症の軽減などにつなげるなど1分1秒を争う救急の現場を支えている。
国の研究班などが作った運航基準では、操縦士の補佐を行うために整備士を配置することが定められているが、関西地方や東京など、9つの都府県の病院を拠点とするドクターヘリは、運航会社の整備士不足が原因で7月から8月にかけて最大で1週間運航ができなくなっていた。
このため、運航を休止した地域で救急搬送に影響が出ていたことが分かった。
このうち関西圏の自治体などで作る「関西広域連合」によると、1府6県の病院を拠点とするドクターヘリ8機が休止し、本来はドクターヘリで向かう離れた場所からの要請に救急車での対応を余儀なくされたケースがあった。
また、「関西広域連合」が自治体に聞き取ったところ、別の地域のヘリに出動を要請せざるをえなかったケースも16件あったという。
関西広域連合や病院によると、運航会社からは整備士が足りない状況は変わっていないと説明を受けているということで、9月の運航については調整を続けているということだ。
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ドクターヘリ 運航会社の整備士不足で休止も 救急搬送に影響
[2025.9.2]
1分1秒を争う救急の現場に影響が出ている。関西地方や東京などの病院を拠点とするドクターヘリが運航会社の整備士不足が原因で、7月から運航が休止し、運航ができない地域では離れた場所でも救急車で向かったり、別の地域のヘリに出動を依頼したりせざるをえない事態が起きているという。
運航を休止したのは、9つの都府県の10の病院を拠点とするドクターヘリです。
7月は、
▽和歌山県の和歌山県立医科大学附属病院で9日~15日、
▽滋賀県の済生会滋賀県病院で10日~13日、
▽奈良県の奈良県立医科大学附属病院で16日~22日。
▽鳥取県の鳥取大学医学部附属病院で22日~28日、
▽大阪府の大阪大学医学部附属病院で24日~30日まで運航を休止した。
また、8月は
▽兵庫県の公立豊岡病院で5日~11日まで、
▽徳島県の徳島県立中央病院で18日~24日まで、
▽兵庫県の県立加古川医療センターで19日~22日まで、
▽長崎県の長崎医療センターで23日と27日~29日、
▽東京都の杏林大学医学部付属病院で7日~10日と24日~26日まで運航を休止した。
ドクターヘリの運航ができなくなった病院では、どのような影響が出ていたのか。
その一つ、鳥取県米子市の鳥取大学医学部附属病院では、拠点とするドクターヘリ1機が7月22日から28日までの1週間、運航が休止した。
この病院のドクターヘリは、鳥取県内に加えて隣接する島根県東部や岡山県北部などもカバーしていて、休止している間、医療機器を備えた車に医師や看護師が乗り込むドクターカーで対応せざるをえなかった。
病院によると、患者の症状の具合からみて本来は、ドクターヘリでの搬送が望ましかったケースもあったという。
ドクターカーで出動して患者の治療に当たった医師によると、ドクターヘリであれば片道10分程度で向かうことができたということで「ヘリが飛べない状況は治療に当たる私たちもですが、患者さんにとっても痛手だったと思います」と話す。
ドクターヘリの出動が要請されるケースは切迫度が高いことがほとんどで1分でも早く初期治療にあたり、救急搬送を行うことで患者の救命率の向上や後遺症の軽減につながるとされている。
鳥取県によると、休止期間中に、治療の遅れで命に関わる事態はなかったものの、本来であればドクターヘリを要請していたケースは14件あり、陸路やほかの地域のヘリなどでの活動を余儀なくされたということだ。
鳥取大学医学部附属病院・高度救命救急センターの上田敬博センター長は「今は全国的に救急医療を担う医師も病院の数も減って集約化されつつあり、山間部や医療過疎地域の人たちの命を守るためにはドクターヘリが必須という認識だ。それが突然運航できなくなるのは非常に厳しく、危機感を感じる。こうしたことは一度とあってはいけないが、二度と起こしてほしくない」と話している。

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