専門医の医師の求人/募集/転職学会ニュース一覧 > 自宅で可能な負担軽い腹膜透析 高齢化で再評価の動き

学会ニュース

自宅で可能な負担軽い腹膜透析 高齢化で再評価の動き

[2025.5.13]

 尿をつくる腎臓には、血液から老廃物を取り除き、体の水分量を調節する働きがある。その働きが悪化した慢性腎臓病の人は、国内に約1500万人いるとされている。腎臓に代わって血液をきれいにする「透析」を受けている人は約34万人(2023年末時点)いるとされる。

 透析には、血液透析と腹膜透析の2種類がある。

 血液透析は、体の外へ血液を循環させて、ダイアライザーという装置で老廃物を取り除く。体にたまった余分な水分も併せて除去する。週3回程度、医療機関に通院して受けるのが一般的だ。1回の交換に4時間ほどかかる。

 腹膜透析は、おなかの空間(腹腔)に透析液を流し込み、自分の腹膜を通じて老廃物を濾過して、取り除く。おなかにつけた管を使って、1日3回ほど、毎日自宅で透析液を交換する。1回の所要時間は30分ほどだ。夜寝ている間に一日分をまとめて透析する方法もある。尿をつくる機能が残っている段階で始めることが多い。

 

 透析を始める時期は、腎機能の指標であるGFR(腎臓が1分間にどれだけの血液を濾過して尿をつくるかの指標)の値を目安に検討する。腹膜透析ガイドライン2019によると、GFRが30を下回ると、透析について患者に情報提供がされる。15を下回り、だるさや吐き気などさまざまな尿毒症の症状が表れ始めると、透析導入を考慮する。自覚症状がなくても、6未満は透析の対象。

 

 日本透析医学会のまとめでは、国内では9割以上が血液透析で、腹膜透析の利用者は約3%しかいない。この割合は10年以上横ばいだ。2019のガイドライン改訂委員長で、愛知医科大学特命教授の伊藤恭彦さんによると、血液透析の方が先に普及したことや、腹膜透析は患者一人ひとりに合わせたテーラーメイドの医療で、透析液の調整やカテーテル周辺の管理などにコツがいるため、手がける医師が少ないことなども影響しているという。大学などでの教育も長年不十分だったことも背景にある。

 

ただ、高齢化が進むなか、自宅でできて体への負担が少ない腹膜透析を、いま、あらためて評価する動きがある。

 透析を始める人の平均年齢は、40年ほど前の1983年は52歳だったが、現在は72歳に上昇し、原因となる病気も、老化によって腎機能が落ちる腎硬化症が増えてきている。伊藤さんは「透析は、腎不全でも働くことを可能にする医療から、人生の最終段階の満足度を考えながら提供する医療へと、考え方を変えていく必要がある」と話す。

 血液透析は、数日分の老廃物や余分な水分を一度に除去するため、効率はよいが、体への負担が大きい。血圧の低下や疲労感をまねくほか、脳の血流の低下をくり返すため、認知症が進むリスクも指摘されている。一方、腹膜透析は、効率はさほどよくないが、体液量や老廃物の量の変化が一定なため、体への負担が少ない。尿が出ていれば、飲む水の量や食べ物の制限もあまりない。90代の高齢者にも導入が可能だ。

 

 腹膜の濾過機能は、年月を重ねると徐々に衰えていく。ただ、20年余り前に透析液が改良されてからは、腹膜への負担が軽減され、腹膜透析を10年以上継続できる人もいるという。また、週1回ほどの血液透析と組み合わせる併用療法も、公的医療保険の対象となる。

 伊藤さんは「今後は、高齢者が在宅で腹膜透析を選びやすくなるよう、在宅医療の担い手の育成や研修、行政との連携も課題だ」と話す。

新着学会ニュース
群馬大が若手育成支援のCF開始

[2026.1.23]

全文見る

群馬大が若手育成支援のCF開始

 外科医の育成を支援し地域医療を守ろうと、群馬大は13日から、クラウドファンディング(CF)を始めた。目標金額は1200万円で、手術手技講習会の実施、若手外科医が専門…

日本消化器病学会からのお知らせ「JDDW2025教育講演 e-Learning開始」に関して

[2026.1.22]

全文見る

日本消化器病学会からのお知らせ「JDDW2025教育講演 e-Learning開始」に関して

日本消化器病学会が「JDDW2025教育講演 e-Learning開始」に関して発表した。    第111回総会ポストグラデュエイトコースe-Learningに加え、JDDW2025教育講演のe-L…

病院・クリニックなど医療施設のプライバシーに配慮した「簡易遮音引戸」を発売

[2026.1.20]

全文見る

病院・クリニックなど医療施設のプライバシーに配慮した「簡易遮音引戸」を発売

 病院・クリニックなど医療施設のプライバシーに配慮した「簡易遮音引戸」を新発売 パナソニック ハウジングソリューションズ株式会社(代表取締役 社長執行役員 : 山田…

日本感染症からのお知らせ「製品供給に関するご案内」に関して

[2026.1.16]

全文見る

日本感染症からのお知らせ「製品供給に関するご案内」に関して

日本感染症が「製品供給に関するご案内」に関して発表した。   長生堂製薬株式会社より以下のご案内がございました。    長生堂製薬株式会社が行政処分を…

難聴、運動不足などリスク改善で 認知症の4割「予防可能」

[2026.1.13]

全文見る

難聴、運動不足などリスク改善で 認知症の4割「予防可能」

 日本で発症する認知症のうち約4割は予防することができるとの推計結果を、東海大とコペンハーゲン大の国際チームが発表した。難聴や運動不足などの危険因子を取り除くこ…

記事一覧はこちら

専門医資格を最大限に生かした転職なら専門医局 専門医資格を最大限に生かした転職なら専門医局

専門医資格を最大限に生かした転職なら専門医局

「自宅で可能な負担軽い腹膜透析 高齢化で再評価の動き」(2025年5月13日)に関する記事です。
専門医局では各学会の最新情報を提供しています。
その他の学会のニュース一覧もご覧いただけます。
更に詳しい情報をお求めの際は各学会へ直接お問い合わせください。
また専門医局では専門医の資格取得方法や専門医資格の取得できる研修施設も紹介しています。

専門医資格を最大限に生かした転職なら専門医局

専門医転職事例
消化器内視鏡専門医 男性(43歳) 消化器内視鏡専門医 男性(43歳)
勤務にも慣れ、充実した日々を過ごしています。消...
麻酔科専門医(女性40代前半) 麻酔科専門医(女性40代前半)
診療部長からは診療科の雰囲気も良くなり、K先生は...
麻酔科 男性 29歳 麻酔科 男性 29歳
麻酔科標榜医を目指す立場からも、外科医としての...
透析専門医 男性(40代) 透析専門医 男性(40代)
今ではかなり時間に余裕ができ、オンコールからも...

その他の転職事例はこちら

専門医のFacebook 医療機関の方々へご案内

SSL
個人情報を扱うページではSSL通信で
安全性を確保しています。

ページトップへ