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現役世代の負担偏重見直しを 高齢者医療や年金争点に
[2024.10.17]
年金や医療、介護など国民の生活に深く関わる社会保障制度。少子高齢化の進展で制度の支え手が減る中、増大する一方の費用を誰がどう負担していくのか。「給付と負担」の見直しは喫緊の課題となる。
衆院選で各党は、高齢者医療や公的年金を中心に現役世代の負担軽減につながる改革案を訴えている。
岸田前政権は年齢にかかわらず能力に応じて負担して支え合う「全世代型社会保障」の構築を進めてきた。昨年末に改革工程をまとめ、現役並みの所得がある高齢者の医療費負担を引き上げることなどを打ち出した。
自民党はこうした路線を今回の公約に盛り込んでおり、今後75歳以上で医療費窓口負担が3割となる対象者の拡大を検討する。公明党は、現役世代への支援として、出産費用の実質無償化を前面に掲げた。
高齢者の負担増は選挙戦で不利に働くとして、「タブー視」されてきた。現役世代の負担能力が限界に近づく中、日本維新の会は所得に応じて1~2割に軽減されるケースが多い高齢者医療費の負担を原則3割に引き上げると明記。国民民主党も75歳以上について、年金だけでなく金融所得などを含めて負担割合を判断すべきだと唱える。立憲民主党は、高所得者がさらに多くの社会保険料を納める仕組みを訴える。
年金制度を巡り、政府は5年に1度の制度改正に向けた議論を開始。厚生年金が適用されるパート労働者の範囲拡大などが主要テーマ。
各党は給付が手厚い厚生年金の加入対象を拡大することではほぼ一致。自民は少子高齢化で年金額の目減りが予測される現役世代への対策として、基礎年金の受給額底上げを図るとした。
立民は、低所得者の年金に一定額を上乗せ給付する制度の創設を主張。共産党は年金額を実質目減りさせる仕組みの凍結や撤廃を訴えた。制度の抜本改革を掲げるのは維新で、現役世代が高齢者の財源を負担する現行の仕組みから、世代間格差が生まれない財源の積み立て方式への移行を打ち出した。
高齢化のピークとされる2040年には全人口の約35%が65歳以上の高齢者となり、その影響は社会全体に広く及ぶ。社会保障改革は国会論戦で与野党の激しい対立を招くことが多く、痛みが伴う改革は進んでいない。
高齢化のピークを見据えた公約は各党ともほとんど示しておらず、慶応大学の駒村康平教授(社会政策)は「目先の政局にとらわれず、長期的な視点で現役世代と高齢者の負担の在り方を議論すべきだ」と話す。

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