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学会ニュース

母乳に含まれる抗体、子どもの脳の発達や行動に影響の可能性

[2024.5.7]

 マウスを使った実験で、母乳に含まれている抗体が、子どもの脳の発達や行動に影響を与えていることを発見したと群馬大が発表した。今後、人間の脳への影響を調べることで、疾患防止などにつながる可能性があるとしている。

 

 母乳を巡っては、別の研究で、乳児に与える期間と知能指数に関連があるとの報告はあったが、影響する成分や作用は判明していなかった。今回、同大などの研究チームが初めて発見し、2日に論文が国際科学誌にオンライン掲載される。

 

 同大医学部3年定方瑞樹さん(20)や父で同大の定方哲史准教授(神経科学)らは、母乳には人工ミルクと違い、母親が持つウイルスへの抗体も含まれている点に着目。研究では、抗体を受け取るマウスと、受け取れないよう遺伝子を変えたマウスを使用した。

 

 その結果、抗体を受け取ったマウスの脳内では、抗体と、脳の異物除去などを担う免疫細胞「ミクログリア」が結合していた。結合したミクログリアは、記憶や学習で重要な役割を果たすニューロン(神経細胞)の生存に関与する「1型インターフェロン」も分泌していた。

 一方、遺伝子を変えたマウスは、社会性行動に影響を与える特定のニューロンが減少し、受け取ったマウスと異なる行動をとったことから、研究チームは抗体が脳の発達に影響すると結論づけた。

 

 今回の研究では、人間の脳への影響は判明していない。定方准教授は「抗体が脳や行動に違いを生じさせることはわかったが、その影響が良いのか悪いのかまでは断定できない」とした。

 

 今後は人間の母乳の抗体濃度と母乳で育った子どもで相関性を調べる予定だという。瑞樹さんは「良い影響の場合は、抗体が入った人工ミルクを製造し、悪影響であれば母親の抗体が増えた場合に母乳を与えないように呼びかけることもできる」と話す。

 


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