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学会ニュース

幼稚園空室を民間保育園に無償提供…入園者確保と待機児童解消の取り組み

[2025.10.27]

 熊本県宇土市は、市立幼稚園の空き部屋を民間保育園に無償提供する取り組みを始めた。共働き世帯の増加などにより、3~6歳を受け入れる幼稚園は、原則0~6歳を受け入れる保育園と比べて需要が低下しているが、識者は「教育機関として幼稚園が果たす役割は大きい」と指摘。両園が共存する珍しい運営形態として注目を集めそうだ。

9月1日に開園した「うとみらい保育園」は、市立宇土幼稚園の2階空き教室を活用。同保育園は0~2歳児を対象とした小規模保育園で、最大19人を受け入れられる。3歳以降は希望すれば、同幼稚園に通うことができる。

 創立98年の宇土幼稚園は、5月時点の園児数が定員110人に対して46人にとどまる。うち約半数が今年度で卒園する見込みだが、市は同幼稚園が長年市民に親しまれていることから、存続の道を模索した。

 一方、市では0~2歳児で、待機児童問題が深刻化していた。同幼稚園の入園者確保と待機児童問題の解消策として、市がうとみらい保育園の誘致を決めた。幼稚園を所管する文部科学省の担当者は読売新聞の取材に対し、同様の取り組みを他に把握していないとしている。

 

 宇土幼稚園の古川公雄園長は「幼稚園職員も刺激を受け、質の向上につながる。廃園を考えている幼稚園は全国にあるだろう。モデルケースになれば」と期待を込める。

 国の統計によると、全国の公立幼稚園は1985年に6269園とピークに達し、その後は減少して昨年は2534園と半数以下に落ち込んだ。文科省は共働き世帯の増加や少子化で、保育園に需要が移ったことなどが要因とみている。

 国学院大・鈴木みゆき教授(幼児教育)は「子ども主体の教育や研究を行ってきた公立幼稚園は、学校教育の根幹。在園時間が短い幼稚園に預けて、子どもと長い時間一緒に過ごしたいという保護者もおり、預け先の選択肢があることは重要だ」と話す。

 

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