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医師不足やへき地医療対策へタッグ 大学と医療センターがタッグ

[2024.11.27]

 山口県内の地域医療を充実させ、医師不足を食いとめようと、山口大学(本部・山口市)と山口県立総合医療センター(防府市)がタッグを組んだ。地域医療を担う総合診療医の育成環境を整えたり、若手医師を対象に、キャリア形成を助けたりする仕組みづくりに着手する。

20日、山口大とセンターの代表者が連携強化に向けた文書を交わした。

 

 へき地の訪問診療などをこなせる総合診療医を育成する環境を、両者が連携して整える。

これまで、山口大の医学部付属病院とセンターは、総合診療医の研修プログラムや研修先を別々に用意してきた。その結果、研修を受ける若手医師の希望地域でミスマッチもあった。

 

 新年度以降、山口大とセンターの研修プログラムを将来的に統合することを視野に、連携を深めていくという。若手医師の希望がかないやすい仕組みの構築をめざす。

 また、センターに所属する若手医師が勤務しながら、キャリアアップを図れるように、山口大の大学院で公衆衛生の博士号を取得できる制度を新年度から始める。

 センターには、過疎地域で勤務する医師を養成する自治医科大学(栃木県下野市)から派遣された若手医師が多い。しかし、義務で9年間県内で働いたあと、博士号取得のため県外の大学へ流出する事例が相次いでいた。新制度は総合診療医を志す若手の流出を防ぐ狙いがある。

 

 両者がタッグを組む背景には、県内で進む医師不足への危機感がある。

 県医師会によると、2022年の医師数は3508人。1998年の3218人から増えたとはいえ、県医師会は高齢医師の引退を見込んでいる。試算では、医師数は26年の3396人から、36年には3237人に減る見通しとなっている。

 一方、県内で働く45歳未満の医師は、98年から22年にかけて3割減った。医師の平均年齢は全国で2番目に高い、53・3歳(22年)だった。

 医師不足の解消には、若手医師の育成が欠かせない状況になっている。

 20日の締結式で、山口大医学部付属病院の松永和人病院長は「へき地医療や在宅医療を支えていく人材を強化できる」、センターの武藤正彦院長は「より充実した専門研修の仕組みを構築することで、山口大学とのいっそう強固な連携体制が実現される」と話した。

 

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