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重い病気の子どもを運ぶドクタージェット 1例目は石川県から愛知県へ搬送
[2024.10.30]
医療機器を搭載した小型ジェット機で、主に重い心臓病などの子どもを医師らが治療しながら広域搬送する「ドクタージェット」の国内初の本格運用が、今年から進められており、これまでに6名(成人2名含む)を運んでいる。
この取り組みは、大阪大病院(大阪府吹田市)や国立循環器病研究センター(同)で長年、心臓移植手術に携わってきた千里金蘭大学長の福嶌 教偉のりひで さんらが始めた。NPO法人「日本重症患者ジェット機搬送ネットワーク」(JCCN)を作り、学会や医師会などを通じ、全国の小児科医らに「高度な治療が必要な子がいたら連絡を」と呼びかけている。
空路で患者を運ぶ方法にはほかにドクターヘリもあるが、最大の違いは活動範囲。
ドクターヘリは各都道府県が運用し、基本的な航行エリアは所属自治体内の半径100キロ圏内。
一方、ドクタージェットの航続距離は最大2000キロほどで、日本列島をほぼカバーすることが可能。
「ヘリは振動や騒音が大きくて、搬送中の医療処置が困難」と指摘するのは、ドクターヘリの搭乗経験が豊富な救急医でJCCN理事の岡田真人さん。ヘリ内で患者の容体が急変して搬送先まで遠い場合は、処置のために着陸場所を探すこともあるという。
JCCNはこの事業を現在、寄付金で進めているが、1回あたり400万円ほどの搬送費用が課題となっている。集めた治療データを国に提出し、国の政策に盛り込まれることを目指している。
JCCN理事長の福嶌さんは「小児の高度医療機関は大都市部に集中しており、全国各地に広げるのは現実的ではありません。いざという時は飛行機で運べる仕組みを作ることが安心・安全の子育てにつながります」と話す。

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