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日本産科婦人科学会から「「婦人科疾患に対するロボット支援下手術に関する指針」の改訂」に関して

[2020.3.13]

日本産科婦人科学会が「「婦人科疾患に対するロボット支援下手術に関する指針」の改訂」に関して発表した。

 

指針改訂の背景

 婦人科領域におけるロボット支援下手術は、これまで日本産科婦人科学会(以下、本学会)の定める「婦人科悪性腫瘍に対するロボット支援下手術に関する指針」、「婦人科良性疾患に対するロボット支援下手術に関する指針」に基づいて行われてきたが、これはロボット支援下手術を各施設に安全に導入することを目的としたものであった。当初の指針が2014年5月に発布されてから6年、2018年4月に「腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術(子宮体がんに対して内視鏡手術用支援機器を用いる場合)」、および「腹腔鏡下腟式子宮全摘術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)」が保険適用となってから2年を経過し、婦人科疾患に対するロボット支援下手術は普及期に入っており、本学会全体での安全性の担保および有効性の検証が求められている。
 2018年度に上記の2術式が保険適用される要件として周術期の安全性を中央監視できる登録システムが挙げられており、これに基づき2020年1月以降の症例は一般社団法人National Clinical Database(NCD)の術前症例登録システムに登録する事になった。2020年4月以降にシステムの稼働が予定されており、システムが稼働した後には2020年1月の症例まで遡及しての登録が必要となる。このNCDの施設登録および症例登録は保険適用での手術の必須条件であり、また婦人科疾患に対するロボット支援下手術の今後の適応拡大に必須である。
 昨今、低侵襲手術を受けた子宮頸癌患者の予後が好ましくないとする報告があったため、低侵襲手術による悪性腫瘍手術においては根治性を担保する必要が増している。すなわち、安全性の確保に加えて根治性を担保するための実施基準の設定が求められる。
 以上、婦人科領域のロボット支援手術の運用状況の把握と安全性の確保、さらには、悪性疾患に対する根治性の担保を可能にするため、このたび本学会の「婦人科疾患に対するロボット支援下手術に関する指針」を改訂することとなった。

 

婦人科領域のロボット支援下手術の実施基準

 手術施行に際して、厚生労働省が保険診療として定めるロボット支援下手術に関しては、その適応と術式を遵守して行う。保険診療として定められていない手術適応や術式に関しては、関連学会の定める直近のガイドライン(産婦人科内視鏡手術ガイドライン・子宮体がん治療ガイドライン・子宮頸癌治療ガイドラインなど)に基づき、先進医療あるいは臨床試験として実施する。

 

婦人科領域のロボット支援下手術の実施基準

下記項目を満たした各施設でロボット支援下手術を行う。

① 厚生労働省の定めるロボット支援下手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)にかかわる特掲診療料の施設基準を満たしていること。
 ② NCDに各施設で実施施設登録申請を行い(注1)、承認を受けたのち手術を実施すること。
 ③ NCDの症例登録システムに沿って術前・術後に遅滞なく症例登録を行うこと。
 ④ 本学会の婦人科腫瘍登録施設で悪性腫瘍に対してロボット支援下手術を行った症例については、従来通り婦人科腫瘍登録にオンライン登録を行うこと(注2)。
 ⑤ 新たにロボット支援下手術を導入する際には必ず適切な指導者のもとに行うこと(注3)。

 

注1: 登録申請にあたり、手術実施チーム内に日本産科婦人科内視鏡技術認定医(または日本内視鏡外科学会技術認定医)が含まれていること。さらに悪性腫瘍手術を行うにあたっては、手術実施チーム内に日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医が含まれていること。但し、いずれも自施設の常勤医に限る。
注2: ロボット支援下手術を実施する施設は本学会の婦人科腫瘍登録を実施していることが望ましい。
注3:「指導者」は原則として、日本婦人科ロボット手術学会が日本産科婦人科内視鏡学会および日本婦人科腫瘍学会と共同認定するプロクター(学会HPで公表)を推奨する。

 

術者は以下を遵守してロボット支援下手術を行う。

① 既定のトレーニングコースを受講し、個人名で使用許可証を取得(必須)した後、実機あるいはシミュレーターで十分なトレーニングを実施し、手術ロボット特有の操作方法に習熟していること。
 ② ロボット支援下手術の見学、またはビデオ動画等により、術式を十分に理解・把握していること。
 ③ 厚生労働省の定めるロボット支援下手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)にかかわる特掲診療料の定める経験症例数を有すること。

 


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