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「がん検診」 精度管理で質向上へ

[2018.11.30]

 がんで亡くなる人を減らそうと、がんの早期発見を目的に行う「がん検診」。受診率を上げることに加えて、精密検査が必要な人を適切に見つけることが大切だが「見落とし」も起きている。どうすれば検診の質は上がるのか。新たな取り組みも始まっている。

 

 がん検診には、国全体でがん死亡率を下げることを目的とする「対策型」と、個人の死亡リスクを下げるための人間ドックなどの「任意型」がある。対策型は自治体が実施し、公費を使う。市町村は一定の基準を満たした医療機関に検診を委託せねばならない。

 国は08年、検診を委託する医療機関に、守るべき項目を示した。胃がんのバリウム濃度など詳細な検査方法や、結果のダブルチェック、認定医らの関与などが含まれる。

 しかし、16年のデータによると、これらの項目に基づいて委託先を選んでいる市町村は6割程度。項目が守られたかを検診の後に確認している自治体は3割以下。医療機関ごとに精密検査受診率やがん発見率などをフィードバックしているのは4~12%だった。

 こうした中、質の向上をめざす新たな取り組みが出てきた。がんと診断された全ての人のデータを集計する「がん登録」情報を活用し、検診受診者を追跡調査するものだ。

 和歌山市は17年、和歌山県と共に、12年度に市の検診を受けた約4万人のデータと、県にあるがん登録データを照合。その結果、検診では「精密検査の必要がない」とされた人のうち、検診受診後2年以内にがんと診断されたケースが66例あった。初期のがんが多いが、9例は進行していた。画像を読影した2人の医師のうち、1人は「肺がんの疑い」と診断していたのに、精密検査が必要ないと判定された例もあった。

 市の担当者は「追跡できなかったがんの発生を把握できたことで、判定結果とのずれや精密検査の基準などに課題があることが明確になった。きちんと対策を取っていかなければならない」と話す。結果を元に、問診票の様式などについて見直しをしているという。

 

 厚生労働省によると、がん検診受診者の3~6割は、職場の検診や人間ドックなどの「任意型」の検診を受けているという。だが対策型と異なり、守るべき指針や定期的に受診者数を把握する仕組みも無い。

 国はようやく、17年度からの「第3期がん対策推進基本計画」で、任意型のデータ収集ができる仕組みを検討するとしたばかりだ。

 毎年、会員施設などでの胃がん検診実施状況を調べている日本消化器がん検診学会によると、対策型検診では精密検査の受診率が8割を超えているのに対し、任意型は45%。がん発見率は0・03%で対策型の5分の1だった。

 回答したのは学会員で呼びかけに協力した施設。それ以外の医療機関の実態は不明。発見率に差が出る理由は、がんは高齢になるほどなりやすいが、任意型は比較的若い世代が多く受けていることや、別の医療機関で精密検査を受ける人が多く結果が追跡できないなどが考えられるという。

 日本人間ドック学会は、04年から人間ドックを行う医療機関の体制や、精度管理の取り組みを独自に評価し、一定の基準を満たした施設を認定している。

 医師や保健師、看護師らの配置が適切か

 専門的な医師によるダブルチェックがX線画像の診断時に行われているか

 要精検率や精検受診率は適切か▽医師による結果説明は十分か

 精密検査が必要とされた人をフォローできているか――などを評価している。

 18年10月末時点で、全国376施設が認定を受け、評価の結果は学会のホームページで公開している。評価担当の委員会の委員長を務める野村幸史・野村病院(東京都三鷹市)理事長は「検診の質を保ち、向上させるには医療機関の意識とともに、精密検査が必要とされた場合にきちんと受けるといった受診者の意識も大切になる」と話す。

 


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