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日本精神神経学会からのお知らせ「理事長から就任の挨拶」に関して

[2017.9.19]

日本精神神経学会が「理事長から就任の挨拶」に関して発表した。

 

 2017年6月19日に行われた新理事会で理事長に選出されました。とても光栄に思いますとともに、本学会のさらなる発展のために力を尽くす覚悟でいます。私は武田雅俊理事長のもと副理事長として5年間にわたり学会運営にかかわってきました。これらの活動に継続性をもたせつつ、新たな計画を加えて、学会活動をさらに活発にしたいと思います。以下にその骨子を列挙します。

 

1. 精神科専門医の養成

 新専門医制度では、医師の知識と技術の相互研鑽に加えて、当事者の気持ちや価値観を中心においた治療を行える精神科専門医の養成が求められています。このために卒後研修ならびに生涯教育に役立てていただけるように、学術総会や各地での研修会、eラーニング、テキスト作成など、研鑽の機会と資料の充実を図ります。

 

2. ICD-11の翻訳・出版

 ICD—11は予定では2018年に発表されることになっています。本学会が責任をもって、ICD—11「精神、行動及び神経発達の疾患(仮題)」を翻訳・出版します。ICD—11(あるいはDSM—5)を適切に用いるためには、精神症状をしっかりと把握して記述することが必要です。ICD—11が導入されるこの機に、精神病理学、精神科診断学の知識をどこまで、そしてどのように学んでもらうかについて検討し、それを提案します。

 

3. 治療ガイドラインの作成

 標準的な治療ガイドラインの作成に着手します。標準的な治療を身につけることは専門医の教育に欠かせません。また、医療を受ける当事者にとっても、わかりやすい治療方針を学会が提示することが求められていると思います。これまで医学情報センターでは国内外の治療ガイドラインの調査研究を進めてきました。私は、これまでの成果を活かし、それに多くのステークホルダーの意見を反映させた形で、治療ガイドラインの作成に漕ぎ着けたいと考えています。このため、精神科七者懇談会、関連諸学会などを含めた検討の場としてのガイドライン検討委員会を設置したいと思います。

 

4. 若手研究者の育成・支援

 精神医学研究の発展をめざし、若手研究者の育成支援、研究者の交流や共同研究の促進など、本学会ができることを検討し実行したいと思います。また、研究推進委員会の活動を活性化させることで、本学会が、わが国の「脳とこころの研究」におけるオピニオン・リーダーとなることが必要だと考えています。

 

5. 各種委員会活動

 各種委員会において若手会員や女性会員の一層の活躍を期待しています。また、会員には委員会活動の様子をさらによく理解してもらうことが必要だと考えています。広報委員会を通じて、相当量の情報を発信してきましたが、これに加えて各地で行われる教育研修の場などで意見交換をできる機会を作ります。

 

6. 国際化の推進

 学会の国際化を一段と進めます。WPA、APAおよび王立オーストラリア・ニュージーランド精神医学会(RANZCP)、アジア精神医学会(AFPA)などとは、顔が見える親密な連携ができあがっています。この相互交流がもたらす具体的な成果を、たとえばPCN、精神神経学雑誌、ガイドライン検討委員会、専門医の各種委員会、メルマガなどを通して、会員に還元したいと思います。

 

7. 規律正しい法人運営

 本学会はこれまでも、公益法人の運営を規律正しく行い、監督省庁の立ち入り検査でも優良な評価を得ることができました。これを継続するとともに、事務局機能をさらに高めたいと思います。

 

 偏見と差別のため、あるいはその難治さゆえに、精神疾患を抱える当事者・ご家族の方々は、つらい思いをし、不利で不当な状況におかれがちです。私は、日本精神神経学会の諸活動が究極的にめざすところは、「当事者・ご家族から信頼していただける最善の精神医療をこの国に築く」ということに尽きると考えています。このことを実現するためには、本学会、大学、総合病院、精神科病院、精神神経科診療所、その他の関連する諸施設、諸団体、多職種が相互に緊密に連携すること、さらに近接の諸学と協働することが欠かせません。ここに会員諸氏のご理解とご協力をお願い申し上げます。



Image from 日本精神神経学会

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