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胃癌治療ガイドライン速報が公開されました。
<ガイドライン委員会からのコメント>
以下の観点から、ガイドライン委員会は、根治切除可能な臨床病期II~IVAの胃癌および胃食道接 合部腺癌に対して、周術期D-FLOT療法*およびその後のデュルバルマブ単剤療法を推奨する。 *D-FLOT 療法:デュルバルマブとフルオロウラシル/レボホリナート/オキサリプラチン/ドセタキセル(FLOT)との併用療法
① 日本人を含む国際共同第III相試験であるMATTERHORN試験において、FLOT療法単独と比較し て、D-FLOT 療法がEFSおよびOSを統計学的に有意に改善し、pCR割合も高かったこと。
② 全体集団において、安全性上の懸念は認められず、周術期治療として許容可能な忍容性が示さ れたこと。
・『胃癌治療ガイドライン 医師用 2025年3月改訂 第7版』では、根治切除可能な進行胃癌・胃 食道接合部癌に対する術前化学療法・周術期化学療法について、明確な推奨は示されていない (CQ16-1)5)。その理由の一つとして、本邦の標準治療である手術先行後の術後補助化学療法に対 して、術前・周術期化学療法の優越性を示す十分なエビデンスが国内では確立していなかったこと が挙げられる。一方で、MATTERHORN試験は、殺細胞薬のみを用いるこれまでの臨床試験とは異な り、免疫チェックポイント阻害剤の上乗せを示した点で意義が大きく、根治切除可能な進行胃癌・ 胃食道接合部腺癌において、周術期D-FLOT療法が標準治療の一つになり得ると判断される。 ・周術期治療の適応に関しては、臨床病期、全身状態、年齢、併存疾患、FLOT療法の忍容性および 周術期治療の完遂可能性を総合的に評価し、本邦で標準的に行われている手術先行後に病理病期に 応じて術後補助化学療法を行う治療戦略とのバランスもふまえ、個々の患者に合わせて慎重に検討 する必要がある。その際、周術期治療を選択する場合には、術前画像診断の限界や、臨床病期に基 づく治療選択に伴う過剰治療・過小治療の可能性に留意する。一方、手術先行を選択する場合に は、術後の全身状態によっては術後補助化学療法の導入・完遂が困難となる可能性に留意する。
・D-FLOT 療法では、血液学的有害事象に加えて、デュルバルマブに伴う免疫介在性有害事象にも留 意する必要がある。また、日本人集団では、デュルバルマブ併用の有無にかかわらず、FLOT療法に 伴う骨髄抑制が高度であり、発熱性好中球減少症も多く認められたことから、適切な有害事象管理 体制の下で治療を行う必要がある。
・本試験で使用された併用レジメンはFLOT療法であり、FLOT療法以外の周術期化学療法レジメン にデュルバルマブを追加した場合の有効性および安全性は確立していない。 本速報は、胃癌診療に影響を与える新たな臨床試験結果の論文の解説を基本としているため、該当 する新たな診断・治療法の推奨度はガイドライン(冊子体)改訂までの暫定的なものとして記載した。