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身寄りがなく、家族や親族のサポートが得られない患者の受け入れにあたって、考え方や留意点を院内マニュアルにまとめている病院が約17%にとどまることが、日本医療ソーシャルワーカー協会の全国調査でわかった。同協会の調査チームは「今後、身寄りのない患者の増加が予想され、マニュアルなどの整備は喫緊の課題だ」としている。
調査は2025年2~3月に実施。全国1480病院が答えた。回答者の大半は医療ソーシャルワーカー(MSW)だった。MSWは医療機関に所属する専門職で、退院後の住まいや転院先探し、在宅で必要なサービスの調整などさまざまな支援にあたる。身寄りがなくて困りごとを抱えた患者に関わる機会も多い。
身寄りがない患者では、これまで主に家族がしていた役割を担う人がいないため、受け入れた病院側が従来と違う対応を求められたり、新たな業務が生じたりする。このため、そうした人が意識不明で搬送されてきた場合の情報収集の方法から、死亡後の遺体や遺品の引き取りの相談先などまで、考え方や手順、留意点をマニュアルで定める病院もある。
しかし、今回の調査で、身寄りがない患者に対応するための院内マニュアルが所属病院に「存在する」は17.4%で、「存在しない」が81.7%にのぼった。病床数別にみると、「存在しない」は400床以上では約7割だが、20~49床では約9割にのぼるなど、病床規模が小さいほど、「存在しない」が多かった。
高齢になれば、金銭管理がおぼつかなくなる人もいるが、入院中に必要な物品の購入や医療費の支払いなどは必要となる。身寄りがない患者に代わり、その通帳やキャッシュカードなどを保管・管理したことが「ある」は69.3%。ただし、保管や管理にあたる院内規則が「存在する」は32.6%にとどまった。また、38.6%が、身寄りがない患者の通帳などから、患者に代わって病院が金銭を引き出したことが「ある」と答えた。他者から暗証番号を聞くなどして代わりに引き出すことは後でトラブルにもなりかねない行為だが、必要に迫られて対応しているとみられる。