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4月から国による医師の働き方改革が始まるのを前に21日、千葉県旭市にある国保旭中央病院の医師らが同市役所で記者会見し、診療時間内での受診や緊急性のない救急外来の受診を控えるよう協力を呼びかけた。
医師らは「このままでは地域の医療の質を維持できない」と厳しい現状を訴えた。
同病院の高橋功・救命救急センター長によると、2022年度の救急搬送の受け入れ件数は8904件で過去最多を更新。医療圏内に夜間や休日に急患を受け入れる病院が少なく、当時県内に14ある救命救急センターの中で最も多かったという。
同病院には280名(歯科医師を除く)の医師がいるが、夜間や休日は4~5名が救命救急センターで待機している。時間外・休日労働が「過労死ライン」とされる月80時間を超える医師は毎月30~40名いて、100時間程度の医師が最も多いという。医師らは病院の敷地内のマンションに暮らし、休日でも何かあればかけつけている。
地域などの医療を支えるため長時間労働が常態化している医師の健康を守り、医療の質を担保しようと、国は4月から医師の働き方改革を始める。
勤務医の時間外労働を原則、年間960時間、月80時間相当に規制。守らなければ医療機関の管理者が刑事罰に問われる可能性もある。
これを受けて同病院は新たな取り組みをまとめた。チーム制を導入し、複数の医師で患者の情報を共有して対応する。また入院患者や家族への説明などは原則、平日の診療時間内とし、連続勤務や長時間勤務が続く医師には面接して、健康確保を目指すという。
同病院では、急患として来院しても軽症だった場合には1人(件)につき5500円の「時間外選定療養費」の支払いを求めるなど、すでに緊急性のない救急外来受診への対策はしている。しかし、22年度の救急患者4万4365人のうち、入院したのは15%。救急対応が必要でない患者は10%余りいるとみている。
野村幸博病院長は「地域医療の質を下げずに市民のニーズに応えていきたいが、働き方改革を進めるには厳しい状況。患者や家族のみなさんの協力が必要になる」と訴えた。
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